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AFTER STEVE アフター・スティーブ

AFTER STEVE アフター・スティーブ 3兆ドル企業を支えた不揃いの林檎たち/トリップ・ミックル
(AFTER STEVE: How Apple Became a $2 Trillion Dollar Company and Lost its Soul by Tripp Mickle, 2022)
2022年10月21日/496ページ
目次:ワン・モア・シング 芸術家 業務執行人 必要な男 強固な決意 はかないアイデア 可能性 イノベーションを起こせない クラウン 商談 華麗なるデビュー プライド 流行遅れ フューズ―融合 金庫番たち セキュリティ ハワイの日々 煙 50歳のジョニー 政権交代 機能不全 10億のポケット イエスタデイ


 200人以上のアップル社の社員・元社員に取材。2011年から2022年までのアップルという会社に何が起こったのかについて、2人の人間を軸に語られます。
 その2人とは、ティム・クック(Timothy Donald Cook)とジョニー・アイブ(Jonathan Paul Ive)です。
 スティーブ・ジョブズ亡き後2人はそれぞれ社内での地位を固めていくわけですが、責任者として重圧にさらされるたびに2人とも同じ想いを抱きます。
 それは意外にも「昔はなんでもスティーブが決めてくれた・・・」という郷愁めいた思いです。
 なお、ウォルター・アイザックソン著 スティーブ・ジョブズ からの引用が多くあります。



 アップルという会社に求められるものも変質したといいます。
デザインについて 詩的に 語ってほしいと求めることもなくなった。(略)関税や移民やプライバシーの問題をアップルがどうするか知りたがっていた。(13ページ)
 「魔法」から解けた世間・マスコミが求めるのは、製品・サービスの魅力ではなくそれとは全く関係がない社会・国際問題に対する考えにすり替わっていきました。
 ある意味アップルの製品などが「あたりまえ」になってしまったということでしょうか。
 一度、手に入れてそれに慣れてしまえば、あって当然のモノとなります。さらに若い人々にとっては生まれてからすでにあったモノです。
 筆者もこの変容に言及しています。
アップルの創造精神は、事業の仕組み(マシン)に取って代わられたのだ。(13ページ)



 若きジョニー・アイブはデザインスクールに入学します。その当時の逸話も。
ヘザーに送る手紙とスケッチにかかる費用がかさんだため、封筒に切手を書く ことにした。(41ページ)
 ヘザーとはのちの奥さんとなる人ですが、切手を封筒に書くことによりイギリスの郵政公社を欺くことができたのだといいます。
 封筒に貼られた切手をリアルに描くことのできるデッサンの力があるからこそ、彼は創造性を発揮できたのでしょう。



 そしてアップルに入社する前、作成した模型をアップルに送るために箱詰めしますが、その模型を入れ、そしてそのスケッチを入れ、そのほか丁寧に梱包していたのだそうです。
「パッケージへのこだわり」が重要だと考えていたアイブは、アップルに送る箱をひとつの「体験」に変えた。(52ページ)
 当時は模型などをただ単に箱に詰め込むだけだったのだそうです。
 いまでは当たり前になっているアップル製品の梱包の源流は、彼のやり方にあるのですね。
 ただ、箱を捨てるのももったいなくて、置き場所に困ってしまうという問題が発生しますが・・・。



 また、アイブはJ・J・エイブラムズに対して、スター・ウォーズの「ライトセイバー」について助言を行ったこともあるそうです。
「もう少しとがった感じ」、不均等で原始的、威嚇的な感じにしてはどうかと助言(306ページ)
 そして生み出されたのが、悪役であるカイロ・レンの赤い、十字型のライトセイバーなのだそうです。
 これは賛否両論あるそうですが、映画を見た人の記憶に強く残ったのは間違いでしょう。
 しかし、創造性という能力はさまざまな分野に応用できるものですね。





 この本でよく断片的に紹介されるのが、日本のテクノロジー企業やその製品などです。
盛田昭夫の指揮を失ったソニーの迷走(23ページ)
東芝の半導体部門が1000曲入る小型ディスクドライブを開発した(95ページ)
量産型電子機器の金字塔、キヤノン製カメラに匹敵する品質(103ページ)
1980年代に日本で人気を博したトヨタのミニマルなワゴン車(300ページ)
 日本の会社の何が取って代わられたのかが、ある程度理解できますね。
 トヨタのワゴン車とは何でしょうね? ハイエース?






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