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「美食地質学」入門

「美食地質学」入門 和食と日本列島の素敵な関係/巽 好幸
2022年11月30日/290ページ
目次:旅立ちの前に 変動帯がもたらす日本の豊かな水 火山の恵みと試練 プレート運動が引き起こす大地変動の恵み 未来の日本列島の姿と大変動の贈りもの 日本列島の大移動がもたらした幸福を巡る旅 地球規模の大変動と和食


 筆者によると、本書を美食地質学の旅と位置づけて、食材や料理を育んだ日本列島の営みを知ることにより、もっと和食を楽しむことが狙いなのだそうです。
 まず、食の基本となる水は日本各地でその性質が異なること、火山にも試練だけでなく恵みがあることのほかプレート運動さえも大地に恵みを与えることなどにより、日本各地で異なる食が発展していったさまを描き出します。
 最初は地質学と美食との意外な融合という気がしていましたが、本書を読み因果関係を理解できれば、ある土地に特定の食が発展したことを納得できるでしょう。
 この中で、食の基本となる「水」についてみていきます。





 5つの味のうち「うまみ」について。
硬水では、特にカルシウムが昆布のぬめり成分であるアルギン酸と結合して昆布の表面に被膜を作り、十分にグルタミン酸が抽出されなくなってしまうのだ。(36ページ)
 硬水ではうまく「旨み」を取り出すことができないので、軟水の地方で昆布の旨みを活かした料理が発達したのだそうです。
 なるほど、この旨みを味わうことのできる地方で昆布出汁が発展したのですね。
 水の性質がこれほどまでに料理に影響するとは。





 それではなぜ、日本は軟水なのでしょうか?
日本列島は山国となっている。そのために河川は急流となり、地盤中のカルシウムやマグネシウムを溶かし込む時間がないために軟水の国となった。(46ページ~)
 出汁が発達したのは、日本においては火山活動が活発で山がちな地形となったからこそなのですね。
 両者はなんとも深遠な関係ですが、そもそも昆布を煮るということを思いついた先人の好奇心のなせる業であることも見逃せません。
 それにしても、食・農業というとどうしてもその土地の天気など、気候に目が行きがちですが、その土地の地質なども多大な影響を与えているのですね。









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