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涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱/谷川 流
2003年6月10日309ページ
   

 いわゆる「ライトノベル」と称されているジャンルの作品です。アニメ化もされています。
 平凡な高校生キョンが、美少女ではあるが奇妙の言行が目立つ涼宮ハルヒと出会います。
 しかしキョンは、退屈な日常を打破するためハルヒが結成した「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」、略して「SOS団」の一員になってしまいます。
 そして、長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹が「団員」となり、奇怪な出来事に巻き込まれていくことになります。


第1章
 ある県立高校に入学した キョン は、奇妙な言行が目立ちクラスで孤立している 涼宮ハルヒ と会話するようになります。クラスの自己紹介は「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」とだけ。


第2章
 ハルヒは新しいクラブをつくることを思いつき、部員が1人にだった文芸部を占拠するだけでなく、その部員だった 長門有希 のほか、強引に連れてきた 朝比奈みくる も「団員」にしてしまいます。
 さらにコンピュータ部から強引にパソコンを持ってきたり、バニーガール姿になって校門の前で団委員募集のチラシを配るという奇矯な行動は続きます。


第3章
 さらに転校生の 古泉一樹 をも団員に加えます。
 そしてある日キョンは長門から呼び出されることになります。長門の自宅で、実は彼女が「情報統合思念体」によって造られた「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイス」であること、そして彼女の仕事はハルヒを観察し情報を統合思念体に報告することであることなどを告げられます。


第4章
 ある休日、団員は謎の現象を求めて高校の最寄り駅周辺を探索することになりますが、朝比奈とペアとなったキョンは、実は朝比奈はハルヒの周辺で時間の変異が起きないか監視するため、未来から送り込まれた「未来人」であることを説明されます。


第5章
 2人からアプローチがあったキョンは古泉にも水を向けます。すると、古泉はある「機関」に所属する「超能力者」であり、その任務はやはりハルヒの監視であることを説明します。
 その後、キョンは放課後にクラスの委員長である 朝倉涼子 に呼び出され殺されそうになりますが、途中で現れた長門に救われます。実は朝倉も長門と同様の存在であり、キョンを排除することによってハルヒの反応を見ようと独断で画策したのでした。


第6章
 キョンは「大人」になった朝比奈の訪問を受けたり、突如「転校」となった朝倉の自宅をハルヒと訪ねるなどします。その帰り道、ハルヒによる「自分がとれだけちっぽけな存在」なのかについての独白に聞き入ります。
 その後、キョンは自宅に古泉の訪問を受け、超能力であることの証拠を見せられることになります。それは、通常では入ることができない「閉鎖空間」で巨人を倒すことのできる古泉の能力でした。さらに古泉はその巨人がハルヒの心のわだかまりが限界となった時に現れること、また、その閉鎖空間を放置しておくと世界中を覆ってしまうことを説明します。


第7章
 いつしかSOS団の活動が日常になってしまったキョン。自宅に帰り眠りに落ちますが、目を覚ますとなんと例の「閉鎖空間」と化した高校にハルヒと2人で迷い込んでしまったことに気づきます。
 そのうち、ハルヒの精神状態に連動する例の巨人が現れ校舎を破壊し始めますが・・・。




 さて、結末は措いておき、この小説の特徴について感じたことを書き連ねます。


ゲーム性
 主人公の平凡な生活に達観しているというか、諦めているという態度が強調されています。それが発生する「非日常」との対照となっているわけですが、その受け身の姿勢はまるでロールプレイングゲームのようです。少なくとも、中盤までは自分からは何ら主体的な行動を起こさず、勝手に起こる「イベント」に対応しているだけのように見えます。
中学を卒業する頃には、俺はもうそんなガキな夢を見ることからも卒業してこの世の普通さにも慣れていた。(7ページ)知ったこっちゃねえや。なぜ俺が悩まなくてはならんのだ。(251ページ)


世界観、設定
 いわゆる「世界観」についてはある程度考えられていますが、さらなるツッコミに耐えられるように登場人物も「自分でもわからない」「説明できない」「人間にはわからない」などというある意味「逃げ」といえるような「設定」が見られます。
【長門有希】
うまく言語化できない。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。(118ページ)統合思念体の思考を完全に伝達するにはわたしの処理能力ではまかなえない。(123ページ)言語では概念を説明出来ないし理解も出来ない(214ページ)
【朝比奈みくる】
航時機に乗る前に精神操作を受けて強制暗示にかからなくてはなりませんから。だから必要上のことを言おうとしても自動的にブロックがかかります。(145ページ)禁則事項です。(149ページ)
【古泉一樹】
僕は末端なので詳しくは知りません(略)実態は不明です。構成員が何人いるのかも。(164ページ)閉鎖空間の現出を僕は探知することが出来ます。僕の仲間も。なぜそれを知ってしまうかは僕らにも謎です。(240ページ)


物語
 主人公のモノローグがまるで物語を語っている、つまり過去形で説明する場面もありますが、それが逆に読者の期待感を醸成する作用があると感じます。
嵐の前の静けさ、という言葉の意味が今の俺にはよく解る。(13ページ)ハルヒが暴走を開始するにはまだ1カ月弱ほどある。(23ページ)どこから話そうか。(100ページ)




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